変態とは何だろうか

生物学的には成長過程にて形態の劇的な変化を指し、
日常では異端や逸脱を意味する罵倒語として用いられる

デアにとっての変態とは既存の構造を意図的にずらし、再構成を促す行為である

物質においては、受動的に使用者に使われる構造を反転させ、脱皮をしながら自律性を獲得すること
社会においては、即物的な欲求に支配され未来への投資を行う制度を、最小限の設計に置き換えること
身体においては、共感をしながら他者を理解する行為を最大化させ、壮大な勘違いから相手を把握すること
それらは人工物と人の関係性や、ジェンダーの問題にも入り込むことがある

現象を引き起こし、観客自体も作品として取り込まれ、新たな世界が創造される
それは物質、社会、身体の変態(metamorphosis)とも言えるのではないだろうか

同時に、デアは精神的な障害を抱え、Xジェンダーとして生きる中で、大衆とは異なる光景を見てきた
その異端性はしばしば“変人”と呼ばれるが、
むしろ自身は変態性を帯びたまま、概念そのものを脱皮から羽化させる行為自体を変態と位置づける

デアは変態を追求し、新たな人間の在り方を問う
テクノロジーを媒体に作品だけでなく、論文、YouTubeなどの形式を通じて、問いを人類規模で投げかける

自身の想いから生じた小さな問いを変態行為を通して
歴史や世代を越えた普遍的な問いへと変質させる

それは世界に対する手術であり
デアは概念の狭間のリミナルゾーンを漂い、兆しを探している

変態は自身にとって、オリジンであり、終着点である
その片鱗を作品を通して体感していただきたい


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